「行政書士は食えない」
と言われるのは
当然のことだと思います。
行政書士には、
弁護士や司法書士のように
登録前に実務を学ぶ機会が
ありません。
登録しても何をすればいいのか
全く分からないわけです。
どれだけビジネスセンスがあっても
実務ができなければ話になりません。
大きな行政書士事務所の元補助者で
実務経験を積んだ人なら別ですが、
行政書士試験合格者のほとんどは、
行政書士がどんな仕事をしているのか
全く分かっていないのではないでしょうか。
今回は、行政書士が活躍している
4大専門分野の実務について
解説したいと思います。
この4大分野の実務については、
行政書士であるなら必修です。
実務を学ぶのであれば、
まずはこの4つから押さえてください。
そのうえで、
自分の気質に合った分野を専門にし、
知識を深めていくと
よいのではないでしょうか。
建設業
数ある行政書士の取扱業務の中で
最も「有名」なのが
建設業許可関連業務です。
建設業許可関連業務は、
行政書士が取り扱うあらゆる業務の
基礎となりえますので、
必ず学んでおくべき分野です。
しかも、学ぶのはそんなに
難しくありません、
各都道府県のHPに、丁寧に書かれた
手引書があるからです。
専門書を買って読むのもいいですが、
まずは住んでいる都道府県の
ホームページから手引書を印刷して
徹底的に読み込むことをオススメします。
一度、建設業許可関連業務を学べば、
他の許認可、たとえば宅建業の許可などの
依頼が来た際も、勘所をすぐに
抑えることができるようになると思います。
建設業許可を学ぶことで
様々な知識が得られます。
■許可申請に必要な書類の量が分かる
■許可申請に必要な時間が分かる
■お客様へのヒアリング力がつく
■決算書が読めるようになる
■宅建業への足掛かりとなる
■産廃業務への足掛かりとなる
■運送業への足掛かりとなる
■企業支援の足掛かりとなる
など。
いくら専門が相続などの民事系だとしても、
行政書士なのに
「建設業許可って何?」
って状態だと、
ハッキリ言ってヤバいです。
何を専門にするにしても
建設業許可関連業務については、
ひととおり頭に入れておきましょう。
相続・遺言
行政書士実務未経験者が
最もイメージしやすい業務が、
相続・遺言関連業務なのでは
ないでしょうか。
それゆえにライバルが多く
競争の激しい分野です。
同じ行政書士だけでなく、
税理士、司法書士、弁護士なども
競争相手となります。
また、人の「死」に関係する
業務であるため、極めて高い
コミュニケーション能力が
求められます。
顧客獲得もたいへんです。
単発の仕事なら、
たまに入るかもしれませんが、
数年かけて葬儀会社を訪問して
太いパイプを作る
くらいのバイタリティ溢れる
営業力がないと、この分野で長く
食っていくには難しいかもしれません。
相続・遺言業務は、
行政書士の民事分野の花形です。
行政書士である以上、全く分からない
となると話になりませんので、
やはり基礎知識は習得しておく
必要があります。
相続・遺言について、
行政書士試験教科書レベルの
表面的な知識しかないのであれば、
まずは、プレジデントなどの雑誌で
特集されている記事を細部まで
しっかり読んでみてください。
分かりやすく書いてあるので、
スーッと入ってくると思います。
そのうえで興味があることについて
一つずつ深堀していくというので
良いのではないでしょうか。
自動車
自動車関連業務ほど
実務を学びやすい分野はありません。
自分の車で実際にやってみれば
いいわけですから。
所有権移転や車庫証明など
できることはいくらでもあります。
やり方については、Youtube動画が
上がっていますので、それを参考に
すればよいのではないでしょうか。
ローンが終わった友達の車の
所有権解除・移転などの
手続きを手伝わせてもらうなどして
経験を積んでみてください。
企業支援
企業支援と一言で言っても
幅広い意味を持ちます。
たとえば、
創業資金調達のための事業計画書作成、
会社設立、補助金関連業務などです。
行政書士のほか、中小企業診断士など
ライバルが多い分野でもあり、
幅広い知識が必要となります。
お客様とはもちろんのこと
銀行員や商工会議所の職員と
信頼関係を築いていくことも
忘れてはいけません。
まずは基本的な会社設立業務と
事業計画書の書き方を押さえておき、
その後補助金関連の実務を学んでいくのが
良いと思います。
会社設立と事業計画書に関しては、
本屋に行ってそれ関連の入門書を
買って読み込む。
補助金については
都道府県や市町村のホームページで
確認するなどして知識を深めましょう。
財務知識もあれば、
企業との顧問契約も夢ではなく、
将来性のある分野だと思います。
専門分野選択
行政書士必修4分野の基本を学んだ後は、
ぜひ専門分野を絞ってみてください。
入管業務や風俗営業、
産廃や運送業など
行政書士が活躍している分野は
他にもたくさんあります。
行政書士の業務範囲となる手続きは
10000種以上あります。
きっとあなたにぴったりの
専門分野が見つかるはずです。