死後の手続きは、ありとあらゆる分野の手続きが複合的に押し寄せるため、一つ一つの分野のプロはいても、総合的に分かっている人は少ないです。
こんにちは。
行政書士の太田哲郎です。
今回は死後の手続きについて、時系列に沿ってポイントをまとめてみました。
①葬儀の手配(死後1-2日)
葬儀会社は病院から紹介されるが、値段が高い。
亡くなる前に2-3社見積依頼をしておくのがよい。
一般的な葬儀費用は福井県で約150万円。
家族葬だと50万円ほどに押さえられる場合も。
②死亡届(死後1-3日)
■死亡届
届出先:市町村役場
期限:7日以内
役所に死亡届を提出しないと、火葬許可証をもらうことができないため、葬儀前に提出する。
役所に提出する前に、意志の死亡診断書のコピーを必ず取っておく。今後いろいろな手続きの際に提出することになるため。
火葬許可証は市町村から発行される。
③四十九日の段取り(死後3-5日 葬儀直後)
四十九日法要の日取り、出席人数、会場などを確認する。
四十九日を目途に遺産分割協議を行う旨、相続人全員に伝える。
相続人全員に、戸籍謄本と印鑑証明を取得しておくよう依頼。
④役場手続き(死後5-10日)
■住民票 世帯主変更
届出先:市町村役場
期限:14日
※死亡届と同時でもOK
■健康保険 資格喪失
届出先:市町村役場
期限:14日
※死亡届と同時でもOK
■葬祭費 支給申請
届出先:市町村役場
期限:2年
※葬儀の領収書が必要
■介護保険 資格喪失
届出先:市町村役場
期限:14日
※死亡届と同時でもOK
■年金 受給者死亡届
届出先:年金事務所
期限:14日
■遺族基礎年金
■遺族厚生年金
■寡婦年金
■死亡一時金
届出先:年金事務所
期限:5年
⑤契約解除(死後5-10日)
銀行口座名義変更・契約解除
保険契約解除
クレジットカード契約解除
携帯電話契約解除
NHK契約解除
ネットプロバイダ契約解除
その他いろいろ
⑥戸除籍謄本等の取得(死後7-20日)
相続人を確定させるため、各種手続きを進めるために故人の戸籍(戸籍=戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、戸籍の附表)を取る。
故人の戸籍謄本は預貯金や不動産の相続手続きなどあらゆる場面で提出を求められる。
死亡の事実が戸籍謄本に反映されるのに1週間ほどかかるため、後日取りに行く必要がある。
戸籍謄本は本籍地がある市町村で取得する。
生まれてから死ぬまでの戸籍が必要。
本籍が何度も変わっている場合は、変わっている分だけ戸籍が必要。
本籍が県外の場合は、郵送などで取り寄せる。
⑦法定相続情報一覧図を作成(死後10-30日)
戸籍謄本は様々な場面で提出を求められるため、そのたびに原本を何枚も用意しなければいけないのはお金もかかって面倒。
だから法定相続情報一覧図を作成の上、法務局に提出しておけば、戸籍((戸籍=戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、戸籍の附表)は1部で済む。
法定相続一覧図はその写しでもって戸籍謄本一式の代わりとすることができて便利。
個人の戸籍(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、戸籍の附表)を確認しながら作成する。(作成は行政書士に依頼する)
⑧財産目録の作成(死後10-40日)
相続財産は何がどれくらいあるのかを確認し、書面を作成。
■預貯金
金融機関名
通帳
定期預金証書
■株式、投資信託
証券会社名
ログインID
パスワード
証券会社からの郵送物
銘柄
株数
■不動産
所在地
名義人
登記識別情報
不動産売買契約書
登記簿謄本
■生命保険
保険会社名
種類
名義人
保険証券
■自動車
車種
車検証
自賠責保険証書
■借金
借入先
借入額
残高
返済方法
金銭消費貸借契約書
⑧遺産分割協議(死後49-60日)
相続人全員で協議。成立後に遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印(実印)、印鑑証明書添付の上、各自1通ずつ保有する。(書類作成は行政書士に依頼)
不動産の登記や銀行口座の名義変更などで書類提出を求められる。
⑨準確定申告(死後4か月以内)
故人について、1/1から死亡した日まで納めるべきだった所得税を計算し、申告と納税を行う。
給与取得者(パートやバイトでもOK)、年金受給者(400万円以下かつその他の収入20万円未満)の場合、純確定申告は不要。
高額医療費を払っていた場合、還付金が返ってくることがある。
⑩相続税納付(死後10か月以内)
税務署でもらえる相続税の総額計算書に、相続人それぞれの相続分と税額を記入。
税務署による無料相談を活用するとよい。
必要添付書類 例
■戸籍謄本(相続人全員)
■印鑑証明書(相続人全員)
■遺産分割協議書
■固定資産税評価証明書
■預金残高証明書
■土地登記事項証明書
■建物登記事項証明書
など
⑪一周忌(死後1年)
手続き忘れがないか確認。
葬祭費支給申請忘れてないか?
遺族年金の請求し忘れはないか?
相続税過払いの還付はないか?
◆
人の死後には煩雑な手続きの数々が待ち受けています。
この記事が、あなたの一助となれば幸いです。