「…え、なんで?」言葉にできないモヤモヤとした、怒りとも悲しみともとれるそんな気持ちが沸き上がるのが、犬のウンチを見たときです。
最近では野良犬を見かけることはなくなりました。つまりこの糞は誰かの飼い犬がしたものであることは間違いありません。近隣のすべての方を不快にし、衛生面でも悪影響のあるフン害、決して許すことはできません。
私の実家では犬を飼っていましたし、私の妹も犬を飼っていますので、愛犬家の気持ちはよく分かります。
それだけに、犬のフンを放置するということは考えられないのです。
ということで今回は、犬のフンを放置する人に対しての効果的な警告の仕方、警告文の文例などをご紹介したいと思います。
フン害対策
犬のフン害対策として効果的なものをご紹介します。
看板を置いてみる
このようなA型の看板を設置することで警告になります。木製の立て看板で、手書きの文字の手作り感満載のものよりも、市販のものを設置することでちゃんと目を光らせてますよ感を出す方が効果的です。自治会などと連携して設置するのが良いと思います。
地面が土の場合には、突き刺すタイプのものもあります。
フェンスに引っ掛けるタイプです。
看板以外ではこのようなカラーコーンもあります。
イエローチョーク作戦
「イエローチョーク作戦」とは、放置された犬のフンの周りを黄色いチョークで囲み、発見した日時を書きこむことにより、フンを放置した飼い主に困っている人や迷惑を被っている人がいることを伝える方法です。
まず、黄色いチョークで放置されているフンの周囲に丸をつけます。それと併せて発見日時を書いておきます。放置されているフンを強調することで、飼い主に警告することが目的のため、フフンは片づけずに、1週間程度様子を見ます。再度フンの放置があった場合は、同じことを繰り返します。
大阪市にて試行実施したところイエローチョークによる啓発により新たなフンの放置が見られなかった個所もあったことから、一定程度の効果を確認することはできたようです。ただ、雨の日が続いた場合はチョークがつきにくい、人の目につかない路上などでは気付かれにくい、自宅敷地内で地面が土の場合にはできないなどのデメリットもあります。
犬の忌避剤を撒く
市販の犬猫忌避剤を撒くというのも一つの方法です。
長期間にわたって効果が持続しないため、ある程度の期間ごとに繰り返し撒く必要があります。また、
個体差により反応が鈍い、効かない場合もあります。
防犯カメラを設置する
看板と併せて防犯カメラを設置するのは、抑止効果のほかに証拠を押さえるという意味もあり、たいへん効果的です。ただし、飼い主の写真を張り出したりすると自分が罪に問われる可能性もありますので注意が必要です。
犯人が分かっている場合の手紙
犬のフンを放置する人がだれか分かっている場合、まずはやんわりと手紙で伝えましょう。
拝啓 突然のお手紙、失礼いたします。
私、〇〇に住んでいる〇〇と申します。今回手紙を書かせていただいたのは、申し上げにくいのですが、〇〇さんが勝っている犬のフンを放置せず持ち帰って処分いただけるとありがたいというお願いです。
私はこれまでに犬簿糞を避けようとしてつまづいてしまったり、気づかずに踏んでしまったことがありました。
飼い犬の糞の始末に手間がかかるということは十分承知しているのですが、今回のリクエストを聞き入れていただいた上で、愛犬とのお散歩をお楽しみいただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
最初の手紙は、相手を批判したい気持ちをグッとこらえて、できるだけ相手をいら立たせないようにしましょう。できるだけ相手に寄り添い、相手が糞を始末しないといけないな、という気持ちになるような文章を心がけます。
相手に対して抗議をする場合、初めから攻撃的な文章を送るのは悪手であり、問題を大きくするばかりです。トラブルを速やかに解決するのが主目的であれば、まずは相手の立場に立った手紙を送りましょう。この手紙を送っても効果がなく、強硬手段に訴えなければならないこともあるかもしれませんが、そのための布石にもなります。
繰り返されるフン放置への警告
飼い犬のフン放置について再三にわたり、お願いや注意をしたにもかかわらず状況が改善されない場合には、飼い主に直接、内容証明郵便で警告文を送付するという手段があります。
犬の糞を放置する人への警告文例
自分で作成してもかまいませんが、行政書士に代理人として送ってもらうのも一つの方法です。受け取る側からしてみれば、ある程度法的知識のある行政書士がついていると思うと、心理的な圧力がかかり、非常に高い効果が得られます。
市町村による対応
地方公共団体は、条例により動物が人に迷惑を及ぼすことのないよう適切な指導、措置を講じることができると定められています〔動物愛護法(以下「動愛法」9条〕。
実際に行政を動かす場合はそれなりに準備が必要です。
①複数人からの苦情
②日常生活に著しく影響している証拠
まずは上の2点を準備しましょう。町内会でのミーティングの記録や防犯カメラの映像などがあると主張の合理性、具体性、信ぴょう性が増します。そのうえで都道府県知事に必要な指導や助言をしてもらうよう申し立てましょう。
犬のフン放置で警察は動く?
犬の糞は、廃棄物処理法が定義する廃棄物です。この法律では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定しており、刑罰は5年以下の懲役、または1000万円以下の罰金が科せられる大変重い罪です。
しかし犬のフンの放置について、警察に相談をしてもよほどのことがない限り、話し合いで解決してくださいと言われるケースが多いようです。飼い犬のフンの放置が「公共の福祉に反して、みだりに捨てる」という要件を満たすかどうか、判断が難しいためです。
ただ、犬のフンを捨てたとして検挙されている例もあります。警察への相談は最後の手段として考えておきましょう。
犬の糞を持って帰るのは飼い主の義務です。
「いってきまーす!」と元気よく玄関を開けて道路に出た瞬間、家の前にあった犬のフンを踏んづけてしまったとしたら、あなたはどういう気分になりますか?
くつを洗って、糞を片付ける人の気持ちは想像できますか?
自分がされて嫌なことは絶対にやめておきましょう。
犬の糞を放置した飼い主は、軽犯罪法違反や廃棄物処理法違反に処せられる可能性があります。また飼い犬の糞を放置して他人に迷惑をかけた場合損害賠償責任が問われる可能性もあります。
こんな時代になっても飼い犬の散歩マナーの悪い飼い主はいるもので、モラルを守ってペットを飼ってもらいたいものです。