田んぼだったところに急にアパートが建ちだすのはなぜ?

不動産

新しい分譲地などで
どんどん新しい家が建ってくると、

近くのこれまで田んぼだったところにも
急にアパートが建ちだすのを
見たことはないでしょうか。

宅地分譲して売ればもうかるのに
なぜアパート?
と思うかもしれませんが
これには明確な理由があります。

それは相続税対策のため。
お金持ちの節税テクニックです。

まず前提知識。

①相続税は財産が多いと高くなる
②宅地は農地よりも財産評価が高い
③市街地の農地は宅地並みの評価

■市街地の農地…
市街化区域内の農地
非線引区域+用途地域有の農地

預金1億円と評価1億円の
市街地の田んぼを所有しているとき
2億円の財産があることになり、

相続税は2億円をもとに
計算されます。

では、この田んぼに1億円のアパートを
建てるとこうなります。

①預金が0
②1億円の建物の評価は
 だいたい6掛け=約6000万円
③アパートの場合は人に貸しているので
 さらに評価は▲30%
 =4200万円

つまり、1億円の預金を
もとにしてかかる相続税が、

アパートになると4200万円をもとにして
相続税を計算するため
大きな節税になるということです。

さらに土地についても
貸家建て付け地ということで
評価額が軽減されます。

④土地は、1億円からおおよそ
 ▲15%~20%
 =約8000~8500万円

以下、計算式です。
※借地権割合60%(地域により異なる)

1億円×(1-借地権割合×借家権割合)
=1億円×(1-0.6×0.3)
=1億円×0.82
=8200万円

さらに大きなメリットがあります。

⑤家賃収入が入る

つまり、2億円の財産を持っている人が
アパートを建てると、

持っている財産は
1.2億円ほどの評価に変わり、
さらには家賃収入まで見込める
ことになるわけです。

とはいえ、田んぼにアパートを建てて
経営するにはリスクもあります。

①自己資金が必要
②空室になることがある
③経年で家賃が下がる
④維持管理・修繕が必要
⑤入居者トラブル

このようなリスクを踏まえても
田んぼにアパートを建てた方がいい!
という市街地農地を持つ地主さんが
次々とアパートを建てているのです。