決めなきゃいけない会社の重要な事項とは?

行政書士

サラリーマンをやっていると
毎月給料が入ってくるという
無意識の安心感があって、

「いつか何かで
 起業したいなぁ」

と思うことはあっても、

「よし、起業しよう!」

というところまでは
なかなかいかないものです。

行政書士という仕事をしていると
がんばって生計を立てている
個人事業主の方と多く出会うのですが、

そんな方と出会うたびに
すごいなぁと感心してしまいます。

こんにちは。

わたしは福井県福井市の行政書士、
太田哲郎といいます。

今回は、個人事業主が会社を
設立するための準備段階の話、

会社設立までの流れと、
定款を作るための重要事項について
解説します。

会社設立までの流れ

会社設立は、必要な書類を準備して、
自分の銀行口座に資本金を入金し、
法務局に申請するというのが
基本的な流れです。

  • 必要書類等準備
  • 資本金を自分の銀行口座に振込
  • 法務局に申請に行く

今回はもう少し具体的に、
個人事業主が会社を設立する、

つまり役員と株主が同じという
会社を設立するときの
大まかな流れを見ていきます。

会社設立の流れ
  1. 会社の重要な事項を決める
  2. 個人の実印がない→実印登録
  3. 会社の印鑑を作成(実印・銀行印・認印)
  4. 定款を作る
  5. 公証役場で定款の認証を受ける
  6. 資本金を自分の口座に振込
  7. 登記書類をつくる
  8. 法務局で登記申請
  9. 登記完了まで1-2週間待つ
  10. 登記事項証明書・印鑑証明書取得

会社の重要な事項を決める

会社をつくろう!といった人を
発起人といいます。

発起人はひとりでもOK です。

発起人は、定款を作り、
資本金を集めなければいけません。

定款には、会社の重要な事項を
記載しなければいけません。

そのために決めなければいけない
重要事項は、以下のとおりです。

会社の重要な事項
  • 商号(会社名)
  • 本店所在地(会社住所)
  • 事業目的
  • 代表取締役・取締役
  • 資本金
  • 株式
  • 設立に際して出資される財産の最低額
  • 事業年度
  • 公告の方法
  • 株券の発行
  • 現物出資の有無

商号=会社名

会社の名前を「商号」といいます。

名前の前か後に、
必ず「株式会社」を付けます。

本店所在地=会社住所

会社の住所を本店所在地といいます。

ビルなどを借りている場合、
オーナーが変わるとビル名などが
変更になることもあるので
記載しない方が多いです。

事業目的

会社は、定款で定めた目的以外の
事業を行うことができません。

違反しても罰則はありませんが、
融資の審査や事業の許認可を受ける際に
影響が出る場合があります。

目的の数に上限はないので、
将来やる予定のある事業も含めて
事業目的としましょう。

わかりやすい言葉で表現してください。

行政書士以外だと、たとえば…

  • 一般建設業
  • 電気工事業
  • 飲食店の経営
  • ウェブサイトの企画
  • ホームページのシステムコンサルティング
  • 古物の売買

最後に、
「前条各号に付帯する一切の業務」
と記載するのが一般的です。

重要!

事業には、行政官庁の許認可が必要となるものがたくさんあります。たとえば、旅行代理店や人材派遣業、食品の販売などです。

許認可を取得しないで事業を始めると、営業停止などの行政処分となります。これから始めようとする事業に許認可がいるのかを確認してください。許認可が必要な事業を始める場合、許認可が下りるまで2-3ヶ月かかるものもあります。正式な許可証が届くまでは営業ができませんので、会社設立の前に早めに準備してください

分からない場合は、行政書士に相談しましょう。

代表取締役・取締役

取締役一人でも会社はつくれます。

その場合、代表取締役であり、
取締役にもなります。

あなたが代表取締役で、
配偶者が取締役でも構いません。

任期は、迷わず一番長い
10年にしておきましょう。

資本金

資本金は、会社をスタートするための
元手です。

1円からOKですが、
30-300万円の方が多いと思います。

株式

普通株式にする

株式は「普通株式」だけを
発行しましょう。

「種類株式」というものも
あるのですが、扱いが難しいので
不要です。

すべての株式に譲渡制限

そして、すべての株式に
「譲渡制限」をつけておきます。

代表取締役が株式売買を承認

株式の売買は、代表取締役が
承認すると決めておきましょう。

1株の発行価格

いくらでも構いません。

資本金が1円なら
1株の発行価格も1円です。

自由に決めてよいです。

よくわからない場合は、
1万円or5万円でよいと思います。

資本金100万円で
1株1万円だとすると、
会社設立時の発行株式は
100株となります。

発行可能株式総数

株式譲渡制限会社であれば、
自由に決めてください。

発行済み株式総数の
10-20倍程度にするのが
一般的です。

資本金100万円で
1株1万円だとすると、
1000-2000株です。

設立に際して出資される財産の最低額

資本金と同じ金額にしておきましょう。

何も考える必要はありません。

事業年度

1事業年度は12ヶ月にして、
月末を決算日にするのが一般的です。

3月が決算月の企業が多いですが、
決算から2か月後には、
税務署に税金の申告が必要になります。

決算月は作業が忙しいので、
繁忙期を避けましょう。

公告の方法

「官報」での公告を選択しましょう。

何も考える必要はありません。

株券の発行

株券は、原則発行しません。

「不発行」です。

現物出資の有無

「現金出資のみ」でよいでしょう。

これで、会社設立の準備が整いました。

重要な事項がきまれば、
いよいよ定款の作成です!

定款を作って公証役場で認証を受ける

会社設立登記申請の流れ

会社設立登記後の業務

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