せっかく行政書士に合格したんだったら、目指すは独立開業ですよね。
でもちょっと待ってください。
はっきり言っておきます。
独立起業は、ハイリスクです。
独立する前にやるべきことはありませんか?
今の会社で学ぶことは、もうありませんか?
今は、空前の独立起業ブームです。
そのブームに踊らされることないよう、あらためて自分を見つめなおしてください。
こんな気持ちで独立したら失敗する
会社勤めをしているけど、今の仕事が嫌で嫌でたまらない、給料が安い、上司と合わない、今の仕事を定年まで続けるなんて考えられない…
ほとんどすべての人が、一度は考えることです。
こんなマイナスな気持ちのときに、ふと目にとまった動画や本に煽られて、気持ちが高ぶって、会社を辞めて独立起業を決意。
だいたいが失敗するパターン、というか、カモですね。
本屋で、独立起業の本を買わされ、セミナーに参加させられ、独立ノウハウのシステムを買わされ、クレジットを組まされて、開業おめでとう!で、いっちょ上がりです。
独立という大きな壁に立ち向かっていく自分に酔っているのかもしれませんが、実は、会社勤めという困難から逃げるための一番楽な道を選ばされているだけです。
こういう「逃げ」「他力本願」の姿勢で成功することはありません。
行政書士で独立開業するのは、「独立するための十分なスキルを身に着けた。今いる会社に貢献できた。独立後の仕事は、明確に自分がやりたいことである。」と思えたときです。
逃げずに、最も自分が成長できる道を選択しましょう。
それと、今の会社でがんばるにしろ、行政書士で独立開業するにしろ、「安定を求める」のであれば、たぶんうまくいかないです。
今いる場所で自分の力を試したい、自分を成長させたいと腹を決めて、スキルを身に着けてください。
今の会社で、様々な問題に取り組み、失敗し、小さな成功体験を積み重ねることで成長していってください。
重要なのは、行政書士として独立するかどうか、ではありません。
自分がどうすれば輝けるか、死ぬときに「この人生でよかった」と思えるか、ではないでしょうか。
行政書士で独立開業するのに必要なもの
- 動機
- お金
- 集客力
- セールス力
- 実務知識
この5つがないと、行政書士で独立開業しても成功できません。
人生を賭けて独立の道を選んだ人に限って失敗します。
行政書士でもし独立してたのであれば、失敗してはいけません。
失敗したら、財産持っていかれます。
家族も離れていくかもしれません。
現実は甘くない、ということをしっかりと頭に叩き込んでおきましょう。
1,動機
「星の数ほどある仕事の中で、あなたはなぜ、行政書士を選んだのですか?」
自分がどうしても行政書士をやりたいという確固たる想い、自分が行政書士という仕事を通して、世の中にどんな幸せをもたらそうと考えているか、ということです。
独立する動機は、とても重要です。
「お金儲けをしたいから」
これは動機じゃありません。
行政書士としての強い想いがあるからこそ、多くの人の役に立ちたいと思うからこそ、集客・セールス・実務について研究し知恵を絞ることができます。
結果として、お金が儲かるということです。
動機は考えるものじゃありません。
自然に湧き上がってくるものです。
もし、明確な動機がないのであれば、独立開業はまだ早いです。
2,お金
行政書士の登録費用は、約30万円です。
そのほか、事務所を借りたり、パソコンやプリンター用意したりするのに50万円くらいかかるでしょうか。
あとは生活資金。
独立開業直後は仕事がありませんから、当面の生活資金が必要です。
1年間は無収入でも暮らしていけるだけの資金は用意すべきです。
もしお金がないのであれば、独立開業はまだ早いです。
3,集客力
お客さんが来なければ、独立なんて夢物語です。
行政書士として、せっかく熱い想いを持っているのに、ぶつける相手がいない…不戦敗ということになってしまいます。
経験豊富で、自分自身にも自信があるトップセールスマンが独立したとたん、お客様が全く取れなくなる、というのは、実はよくある話です。
お客様は、会社の看板があったから来てくれただけ。
「○○株式会社」という看板と契約していたということです。
じゃあ、お客さんを集めるためにがんばろう!と、以下のような活動をしてしまうと大失敗します。
- 他業種交流会に参加して顔を売る
- 無料セミナー・無料相談会を開催する
- 飛び込み営業をする
- DMを送る
- ポスティングをする
- ホームページを開設する
- SNSで情報発信する
上記の方法は、見込み客を集める→コネクション拡大→売る、という順番で考えたときに取り組む方法なのですが、ある程度の規模や実績のある人や会社でないとうまくいきません。
聞いたこともない行政書士のチラシがポストに入っていたとして、あなたは問い合わせますか?
行政書士が何なのか分からない人にまでDMを送る意味がありますか?
ありえないですよね。
大切なことはもっと根本にあります。
マーケティングの世界で、USP(ユニーク・セリング・プロポジション)という言葉があります。
「あなた独自の、魅力的な、圧倒的なウリ」
これがないと、独立してもお客様は来ないです。
行政書士で独立開業する前に、USP=「あなた独自の、魅力的な、圧倒的なウリ」 を作ってください。
あなたにUSPが無いのであれば、まずは、今務めている会社で自分自身を磨くことです。
ダラダラ働くのではなく、真剣に、ベストを尽くしてください。
掃除も、会議の資料作りも、クレーム処理も、何一つムダな仕事はありません。
今の仕事に価値を見出してみてください。
そのうちに、自分しかできないことが分かってくるはずです。
あいさつの声が一番大きい、机が一番きれい、出社が一番早い…何でもいいです。
それが、自分独自の魅力的で圧倒的なウリになるかもしれません。
とにかく真剣に、今いる場所で、自分自身を徹底的に磨いていくようにしましょう。
集客については、他にも重要なことがあります。
以下の記事も参考にしてみてください。
もし集客力がないのであれば、独立開業はまだ早いです。
4,セールス
お客様「リフォームを考えてるんですけど、見積もりをお願いできませんか?」
営業「リフォームのお見積りということですけど、何かお困りごとでもありましたか?」
お客様 「家が片付かないんです。広くすれば片付くのではと思いまして、増築を考えているんです。」
営業 「そうでしたか!私はこの仕事で、何件も同じようなことでお悩みのお客さんからご相談を受けてきました。そんなお客様の共通点から分かった『家をきれいに片付けるポイント』について、まずはお教えしましょうか?そうすればリフォームしなくても済むかもしれませんよ?」
お客様 「え、ホントですか!じゃあ、お願いします!」
お客様の問題解決が、セールスの仕事です。
プレゼン資料を立派にしたり、お客さんの事情に合わせてヘコヘコしたりするのがセールスではありません。
何を売ってもいいのでセールスで結果を出してみてください。
今の会社で、仮に自分が営業でなくても、営業の人に同行してもらったりすることで自社商品を誰かに売ることはできるはずです。
もし一度もセールスをしたことがないのであれば、独立開業はまだ早いです。
5,実務知識
行政書士として多くの人の役に立ちたいという強い想いがあれば、自発的に勉強するはずです。
ですから、上で述べた1-4がしっかり身についているのであれば、実務知識については全く心配いりません。
一応、ポイントだけ説明しておきます。
実際に実務をやっていくにあたっては、法令集や専門書などが時には必要かもしれませんので必要に応じて用意しましょう。
それと、記載例や書式、特によく使う委任状や請求書、見積書のひな型は、一通り準備しておいた方がスムーズに仕事ができます。
自分で作ってもいいですし、下のバナーから850種類の書式をまとめて購入しちゃってもよいと思います。

まだ行政書士で独立開業するな!
多くの人の独立する動機は、豊かな生活をしたい、周りを見返してやりたいなどのエゴです。
繰り返します。
独立起業は、ハイリスクです。
独立する前にやるべきことはありませんか?
今の会社で学ぶことは、もうありませんか?
重要なのは、行政書士として独立するかどうか、ではありません。
自分がどうすれば輝けるか、死ぬときに「この人生でよかった」と思えるか、ではないでしょうか。
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