「行政書士は食えない。やめとけ」
よくこう言われますけど、
「確かに一理あるよな」
と思ってしまうところも、
正直、無くはないです。
なぜかというと、よく聞かれるからです。
「行政書士って何?それ食えるの?」
と。
ここまで世間一般に知られてないんじゃ
「(よくわからない仕事だし)やめとけ」
と言われるのも仕方ないと思います。
宅建士が嫉妬心をむき出しにして、
羨望の眼差しで見つめる資格、
それが行政書士。
なんてことを言われたりも
しているようです。
が、実態を知っている人は
少ないですね。
寂しい限りです。
とにかく、何屋さんか、
一言では言えません。
「行政書士って何してる人ですか?」
小学生に聞かれたら、
何と答えればよいでしょうか?
警察は、悪い人を捕まえる人。
消防士は、火を消す人。
医者は、病気やケガを治してくれる人。
大工さんは、家をつくる人。
弁護士は、裁判で弁護する人。
ヤ〇ザは、悪い人。
では、行政書士は…?
法学部の学生でさえ、
こう聞かれると言葉に詰まって
しまうかもしれません。
「あなたに寄り添う、街の法律家です!」
うん、確かにそうなんです。
でも、それじゃあちょっと
イメージしづらいところ、
ありますよね。
「先生」って呼ばれてるから、
偉いんだろうけど
何やってるのか知られていない。
行政書士の認知度はそんなもんです。
「ホントのところ、教えて!」
「行政書士ってやめといたほうがいいの?」
行政書士試験を受けようと思っている人や、
登録するかどうか迷っている人は
そう思うかもしれません。
そんなあなたに、私はこう言いたいです。
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やってみ。大丈夫だから。
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行政書士は、
役所に提出するめんどくさい
書類を作ってあげる人。
私は、子どもにこう答えています。
「稼げるの?」
と聞かれれば、私は迷わず
「はい、稼げます。」
と答えます。
「しかも、楽しく。」
行政書士には、取り扱える業務が
1万種類以上あります。
これだけあると、
趣味を仕事にも出来るワケです。
車好きなら、
車庫証明や車検証の所有権解除。
スポーツ好きなら、
スポーツクラブの法人設立。
マンガ・アニメ・ゲーム・音楽好きなら、
著作権業務サポートや古物商許可。
麻雀・パチンコ好きなら風営法許可。
料理が好きなら、
飲食店開業に係る許認可。
ここまで、全方位にわたって
「趣味を仕事」にできる資格って、
他にあるでしょうか。
いきなり独立しなくても、
副業OKの会社であれば、
変な力みなしで仕事ができます。
自分でセーフティーネットを
用意することもできるのです。
一応、デメリットらしきものが
ないわけではないので、
説明しておきます。
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行政書士「やめとけ」と言われるワケ①
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試験が難しい。
何年がんばっても、一向に
受からない人も決して少なくありません。
行政書士は、仕事をしながら
取れる資格の限界点だと
個人的には思います。
死ぬ気でがんばれば、
ギリなんとかなる。
仕事終わりに酒飲みながら1時間、
本読んでたら受かっちゃった♪
なんてことは、
まずありえない難易度です。
人生を試験で棒に振る、
なんてこともあるので
それを分かっている人は
やめとけというかもしれません
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行政書士「やめとけ」と言われるワケ②
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実務が分からない。
行政書士試験合格者の多くは、
実務を全く知りません。
行政書士試験合格に必要な知識と
実務で必要な知識は全く違います。
ペーパー試験の知識を実務で活かす機会は、
ほぼゼロなのです。
たとえば、
行政書士の主要業務である建設業許可、
これには、建設業法の知識が必要ですが、
試験には一切出ません。
加えて、社会に出て実務経験を積む機会も
ほとんどありません。
税理士や司法書士は、事務所勤務で
実務経験を積むことが多いですが、
行政書士の求人は皆無。
経験を積む機会が
全くないというのが現状です。
でも、大丈夫です!
実務をやるにあたって必要なのは、
役所が書いたマニュアルを理解する
日本語力だけです。
試験合格するレベルであれば、
全く問題ありません。
私、建設業許可の更新手続きを
知識ゼロからやらせてもらったんですけど、
全く問題なくできました。
市役所や土木監理事務所に
数十ページのpdfマニュアルがあります。
しっかり読んで、
分からないところは電話で聞く。
やることはこれだけです。
間違ったところは、ちゃんと行政側が
修正の指示をしてくれますので安心です。
車庫証明や車検証の所有権移転などは、
Youtubeでやり方説明してる動画が
いっぱいあるので、ぶっちゃけ
誰でもできるというレベルの難易度です。
だから、実務が分からなくても
何も心配する必要はありません。
ただし、決してラクして
稼げるわけではありません。
専門家ですから真剣に実務学ぶ
必要があるということは
理解しておいてください。
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行政書士「やめとけ」と言われるワケ③
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お客さんがいない。
行政書士で開業しようが、
ラーメン屋をオープンしようが、
ボーっとしててもお客さんが
来ないのは当たり前です。
お客さんがいない、という人は、
市役所に行ってみてください。
窓口でいろんな相談を
している人がいっぱいいます。
この人たち全員が、
お客さんになる可能性があるんです。
お客さん候補はいっぱいいる。
後は来てもらうだけ。
弁護士だろうが、医者だろうが、
大工だろうが、ラーメン屋だろうが、
パン屋だろうが、起業したら
みんな一緒です。
集客ノウハウやセールス方法などの
マーケティング(売る仕組みづくり)
については、一度勉強をすると
よいかもしれません。
一応言っときますと、
即効性のある手法は飛び込み訪問です。
即売り上げにつながることもありますが、
メンタルクラッシュ級のダメージを
受けることもありますので、
ご利用は計画的に。
ちなみに私は、飛び込み訪問「やる派」です。
今はやってませんけど。
以上のように、
「食えない、やめとけ」
と言われる理由(デメリットらしきもの)は、
単なる剝き出しの逃げ根性そのものであり、
「そんなことでは何やっても食えねーよ。」
と言われても仕方ないと思います。
私は、行政書士試験合格の後、
10年間登録せずほったらかしにしていました。
食えるかどうか自信がなかったからです。
だから言えます。
行動してみて初めて分かる世界
というものは確かに存在していることを。
最後にあらためて、
行政書士という仕事を考えているあなたに
この言葉を送りたいと思います。
や っ て み 。
大 丈 夫 だ か ら 。
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