違法行為と慰謝料について

行政書士

行政書士は、違法行為を許しません。

こんにちは。
福井県福井市の行政書士、
太田哲郎です。

今回は違法行為の種類と
慰謝料の相場について
ご紹介したいと思います。

私たちが何気なく送っている日常生活は、
様々なトラブルに巻き込まれる
危険をはらんでいます。

顧客からのクレーム、近隣問題、
夫婦や親族・友人知人間での争いごと、
会社内のパワハラ・セクハラなど、
いたるところで問題は起きます。

時に大きな被害を被ることもありますし、
ひどく心を傷つけられることも
あるかもしれません。

特に自分に落ち度がないのに
被害を被ってしまったとき、

相手の違法行為によって
精神的な苦痛を味わったとき、

その損害を償ってほしいと
考えるのは当然のことです。

相手の身勝手な振る舞い対して、
混乱することなく毅然とした態度で
立ち向かうために必要なのが法知識であり、

犯罪行為被害者救済の手段の一つが
損害賠償(慰謝料)請求です。

今回は特にトラブルになりやすい
悪質ハラスメントについてのお話です。

ハラスメント=嫌がらせ、いじめ

相手から暴言を受けた、

お客さんから脅迫まがいな
ことをされた、

大声で怒鳴られ威嚇された…

このような悪質なハラスメントに
対してどう対応すべきか、

被害を受けないために、
そして加害者にならないため、

基本的なことは知っておく
必要があると思います。

最も大事なことは、悪質な嫌がらせや
いじめを行う相手に対して、
毅然とした態度をとることです。

そして、それが違法行為に
発展するのであれば
警察に連絡して解決する
必要があります。

「これ以上、〇〇するのであれば、
 被害届を出します。」
と警告することもできます。

弁護士に相談するのもよいでしょう。

被害を受けたときの慰謝料の相場
知っておくことも大切です。

悪質ハラスメントに対して、
泣き寝入りはする必要は
全くありません。

悪質ハラスメントは、犯罪行為である

ハラスメントのどんな行為が、
何の罪になるのかという知識があれば、
自信を持って対応に当たれるはずです。

代表的な違法行為は以下の7つです。

悪質ハラスメント

脅迫罪
恐喝罪
強要罪
威力業務妨害罪
不退去罪
■名誉棄損罪
侮辱罪

脅迫罪

脅迫とは、相手やその親族の
生命・身体・自由・名誉・財産に対し、
害を加える旨を告知して
人を脅すことです。

脅迫罪は、2年以下の懲役または
0万円以下の罰金が科せられます。

大声を出したり、
物を壊したりして威嚇する行為、

メールやLINEで危害を加えることを
示唆する内容を送る行為は
脅迫罪に当たる可能性があります。

民事上の責任追及として、
加害者に精神的苦痛に対する
慰謝料請求ができます。

慰謝料相場(示談金)は
数万円~50万円ですが、

悪質性が高いと200~300万円と
高額になることもあるようです。

恐喝罪

恐喝とは暴力や相手の公表できない
弱みを握るなどして脅迫すること等で
相手を畏怖させ、金銭その他の
財物を脅し取ることです。

10年以下の懲役となります。

高額な慰謝料・損害賠償の要求、
「誠意を見せろ」などの発言は、
恐喝に当たる可能性があります。

民事上の責任追及として加害者に
精神的苦痛に対する慰謝料請求が
できます。

慰謝料相場(示談金)は
数万円~50万円です。

強要罪

強要とは、相手やその親族の
生命・身体・自由・名誉・財産に
害を加えると脅迫したり、

暴行したりすることによって
人に義務のないことを行わせる、
あるいは、権利の行使を
妨害することです。

3年以下の懲役に処せられます。

土下座や謝罪文の提出などが
強要罪に当たる可能性があります。

民事上の責任追及として加害者に
精神的苦痛に対する慰謝料請求が
できます。

慰謝料相場(示談金)は
数万円~50万円です。

威力業務妨害罪

威力業務妨害とは、
暴力や大声で威嚇するなど
威力を用いて人の業務を
妨害することです。

3年以下の懲役または
50万円以下の罰金となります。

接客が気に入らないからと言って
お店で大声で暴れたり、

脅迫電話や執拗なクレームのメール、
SNSへのいやがらせ投稿などは、

威力業務妨害罪に当たる
可能性があります。

民事上の責任追及として加害者に
精神的苦痛に対する慰謝料請求が
できます。

慰謝料相場(示談金)は
50万円です。

刑事の罰金を目安にしているようです。

不退去罪

不退去とは、要求を受けたにもかかわらず人の住居等から退去しないことです。

3年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

嫌がらせや脅迫目的で
「要求を受け入れるまで帰らない」
と言い張り、

オフィスや店舗に居座るような行為は、
不退去罪に当たる可能性があります。

民事上の責任追及として
加害者に精神的苦痛に対する
慰謝料請求ができます。

慰謝料相場(示談金)は
数万円~20万円です。

名誉棄損罪

名誉棄損とは、
他人の名誉を傷つける行為です。

罪になるのは、
公然と事実を摘示した場合です。

3年以下の懲役もしくは禁錮
または50万円以下の罰金となります。

「○○は会社内で不倫している」

「○○は会社の金を横領して車を買った」

「○○は前科者だ」

「○○の店ではスープ鍋に
 ゴキブリが入っている」

など、具体的な事実を示して
人を貶めるような発言は、
名誉棄損に当たる可能性があります。

公然」とは、
「不特定多数が知る可能性がある」
状態のことです。

1対1で相手から不名誉なことを
指摘された場合は、

「公然」という要件を満たさないので
名誉棄損には当たらない点、
注意ください。

事実を摘示」とは、
事実として周囲に伝えることです。

大声で「バカ」と叱責された場合、
「事実を摘示」という
要件を満たさないので
名誉棄損には当たりません。

そのほか「無能」「役立たず」などの
言葉は基準が無い抽象的なものなので
事実の適示には当たりません。

※ただし、侮辱罪に当たる
 可能性はあります。

民事上の責任追及として
加害者に精神的苦痛に対する
慰謝料請求ができます。

慰謝料相場(示談金)は
数万円~50万円です。

侮辱罪

侮辱とは、人をバカにして
辱めることです。

罪になるのは、
事実を摘示しないで
公然と人を侮辱した場合です。

拘留又は科料に処せられます。

名誉棄損罪と同様、
「公然」とは、
「不特定多数が知る可能性がある」
状態のことです。

1対1で相手から不名誉なことを
指摘された場合は、
「公然」という要件を満たさないため、
侮辱罪には当たりません。

「バカ」「無能」「役立たず」などの
暴言を大勢の人の前で言われた場合は、
侮辱罪に当たる可能性があります。

民事上の責任追及として加害者に
精神的苦痛に対する慰謝料請求が
できます。

慰謝料相場(示談金)は
5万円~10万円です。

悪質ハラスメントの被害を受けたら…

実際にこのような
違法行為があった場合は、
ひとりで対応せず、周りに
相談するようにしましょう。

早く解決したい一心で
相手の要求を呑んでしまうと、
何度でも繰り返される恐れがあります。

また、書類の作成・署名・捺印は
拒否するようにしましょう。

犯罪行為であればためらうことなく
警察に連絡をしてください。

刑事事件としては
警察が動いてくれない場合も、

民事上の責任追及ができる
場合がありますので、
弁護士に相談してみてください。

相手の意見をしっかり理解するため、
という理由で相手に断った上、
相手の発言を録音する、
動画を撮影するというのも効果的です。

理不尽な相手への対応を知ることによって、
自信を持って毅然とした対応が
取れるようになると思いますし、
自分が加害者になることもありません。

やるときゃやるぞ!という心意気が、
トラブルを遠ざけることにもつながります。

弱い立場の人間を守るための法律がある、
ということをしっかりと
理解しておいてください。

トラブル相手の訴え方

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