独立開業した行政書士の9割は
3年以内に廃業するという
データがあるらしいですが、
実際に開業して行政書士を
やっている身としては、
あながちウソとも言い切れないなぁ
というのが正直な肌感覚です。
行政書士試験に合格しても、
当然ですが実務の知識なんて全くなく、
営業もしたことないわけですから、
すぐに開業しても
うまくいくわけがありません。
行政書士を開業して
スタートからうまくいっている人は、
行政書士事務所で
実務と営業経験がある人、
税理士や司法書士として
すでに独立していて
ある程度仕事がある人、
前職が行政書士の実務と
密接に関係ある人
くらいです。
金なしコネなし経験なしの状態で
すぐに成功するわけがありません。
ビジネスを軌道に乗せるためには
地道な努力が必要なのです。
行政書士で廃業しないためには、
重要なことが3つあります。
①運転資金を確保する
お金がないと行政書士としての
活動ができません。
都道府県や商工会議所などでは、
開業支援資金の融資制度や
創業を支援する補助金などがあります。
それを積極的に利用して、
当面の運転資金を確保すべきです。
②営業をする
廃業してしまう行政書士の多くは、
びっくりするほど営業していません。
DMを打って、ポスティングして、
ホームページを作って
事務所で電話やメールを待つことが
営業だと思ってないでしょうか。
そんなことをしていても
仕事が受注できるわけがありません。
仕事を取るためには、
とにかく自分のことを
知ってもらうしかない、
だから積極的に
人に会いにいくしかないのです。
③実務の勉強をする
実務の勉強をする、というとすぐに
実務本を買って読み始める人がいますが、
これで実務知識が身につくはずが
ありません。
野球をやろうと思ったときに、
野球の本を読むのと
実際に体を動かすのでは、
どちらがうまくなると思いますか?
当然、実際に体を使って
試行錯誤する方が早く上達するに
決まっています。
当たり前のことなのに、
どうして実務本を
買ってしまうのでしょう?
残念としか言いようがありません。
実務を覚えたければ、
書士なのですから
手を動かしましょう。
たとえば建設業許可であれば、
書類の雛形はダウンロードできます。
だから実際に作ってみればいいだけの話。
書き方が分からないところが
いっぱい出てきますので、
分からないところは土木事務所や
県庁の建築課などに電話問い合わせです。
ちゃんと丁寧に教えてくれます。
わざわざ実務が身につかない
勉強の仕方を選ぶから
いつまでたっても仕事が来ないのです。
行政書士試験は、600-1000時間
勉強すれば合格できる資格ですが、
行政書士というのはビジネスです。
実際にそれで食っていこうとなると
当然その数倍の時間がかかるのは
当たり前の話。
それでも、行政書士には、
「官公署に提出する書類および
事実証明・権利義務に関する
書類の作成代理」
という独占業務がります。
行政書士の資格があるだけでも、
何もない人が起業するよりは
はるかに有利なはず。
せっかく開業したのであれば、
行政書士というすばらしい資格を
活かすために、たゆまぬ努力を
重ねていきましょう。