建設業許可(知事・一般) 行政書士実務の手順

実務

建設業許可を取りたいお客様との
初回面談時に確認すべきことは、

①どの業種の建設業許可が欲しいのか?
②建設業許可の要件を満たしているか?
③代表者及び本店の確認

です。

①建設業許可 業種確認

①については、電気屋さんなら電気工事、
大工さんなら大工工事、
クロス屋さんなら内装仕上げ工事
といった具合にわかりやすいのですが、

外構屋さんなどは、
造園工事やとび土工・コンクリート工事、
石工事など複数の業種を扱いますので、
お客様に確認が必要です。

定款の事業目的にも記載されているか、
併せて確認します。

行政書士側にもある程度、
建設業の知識がないと
判断は難しいかもしれません。

②建設業許可要件の確認

②については、まず口頭で確認し、
その後に裏を取るかたちとなります。

(1)適正な経営業務の体制

5年以上の経営責任者(≒取締役)としての
経験が必要です。

基本的に確認は、会社の謄本で行います。

(2)適切値社会保険の加入

健康保険、厚生年金保険、雇用保険に
加入している必要があります。

「保険料納入告知額・領収済告知書」
「労働保険概算・確定保険料申告書」
等で確認します。

(3)専任技術者

まず、資格の有無を確認します。

建築士や○○施工管理技士などの
国家資格があれば問題ありません。

ない場合、

建設業に関し所定の学科を修めて
専門学校等をす津業したものは5年、
その他は10年以上の
実務経験を証明することになります。

証明は、過去10年分の工事のうちで
主なものの明細や契約書の提出を
求められることもありますので、

資格があるかどうかについては
事前に口頭でお客様に確認しておいた方が
良いです。

(4)誠実性

許可申請提出後に、審査機関は警察等に
照会を行います。

不正、または不誠実な行為が
過去になかったかどうか、
あらかじめ口頭で確認しておきましょう。

(5)財産的基礎

貸借対照表における純資産合計の額が
500万円以上あれば問題ありませんが、
家族経営の会社などは、純資産が
マイナスになっていることもあります。

ですから、会社の銀行口座もしくは
代表取締役の銀行口座に
500万円以上預金があることで
この要件をクリアすることも多いです。

預金残高証明書を銀行に
発行してもらうことになります。

証明書は、即日発行してくれるところが
多いです。

申請日1ヶ月以内のものが必要です。

③代表者及び本店の確認

③については、代表者と取締役全員の
氏名・住所・TEL・生年月日・年齢
(あと、できれば本籍)、
本店の住所・支店の住所を確認しておきます。

次回アポ

①~③を確認し、
進めていけそうな案件だと確認できれば、
次回打ち合わせのアポを取ります。

アポを取る際に、お客様に以下の書類等を
準備・確認しておいてもらいましょう。

お客様に用意してもらう書類等

①決算書 直近3期分
②保険料納入告知額・領収済告知書
③労働保険概算・確定保険料申告書
④資格証明書(合格証等)
⑤預金残高証明書
⑥会社の現行定款写し
⑦賃金台帳(1ヶ月分・専任技術者・取締役)
⑧出勤簿(1ヶ月分・専任技術者・取締役)
⑨健康保険証写し(専任技術者・取締役)
⑩直近1年分の主な工事の詳細
※契約書や見積書など工事内容が分かるもの
⑪過去10年分の主な工事について
※資料を出せるようにしておいてもらう

行政書士が用意する書類

①会社謄本
②工事経歴書 白紙
③常勤役員等の略歴書 白紙
④所属建設業者団体 白紙
⑤主要取引金融機関名 白紙
⑥委任状 建設業許可申請
⑦委任状 登記されていないことの証明書
⑧委任状 身分証明書
⑨委任状 納税証明書
⑩スマホ(事務所写真撮影用)

次回打ち合わせに臨むにあたって、
まず最初に会社謄本を取り、
建設業許可申請書類を一通り
作ってみましょう。

次回打ち合わせは、作った書類の中で
抜けているところを埋めていくことが
主目的です。

お客様は本業で忙しいはずですから、
身分証明書や納税証明書など
こちらで取得できる書類は

できるだけこちらで取ってあげると
よいと思います。

初回でなかなか上記のすべてを
確認することは難しく、
スムーズにすべての書類が
そろうわけではありません。

2度3度とお客様に確認したり、
書類を取りに伺ったりする
必要があると思います。

また、「この書類でいいんですか?」
といったご質問をいただくこともあり、
都度、行政に確認するといったことも
必要になります。

行政書士は、建設業許可に必要な
書類が何であるか、なぜ必要かを
事前に確認し、

お客様になるべくストレスをかけずに、
準備いただけるようにしましょう。

分かりやすく丁寧に説明・対応することが
何よりも大切です。

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