【行政書士という仕事・考え方①】行政書士は「書類屋」じゃないと思っている理由

行政書士

行政書士の仕事について話していると、
ときどきこんな言われ方をすることがあります。

「書類を作ってもらう仕事ですよね?」

間違ってはいません。
でも、正直に言うと、
それだけだと思われると、少し違和感があります。

今日は、
私がなぜ「行政書士=書類屋」だとは思っていないのか、
その理由を書いてみます。


書類は「成果物」であって「仕事そのもの」ではない

行政書士の仕事には、
確かに書類作成が含まれます。

  • 申請書
  • 添付書類
  • 説明資料

ただ、これらはすべて
最終的に形として残る成果物です。

本当の仕事は、その前にあります。


一番時間を使っているのは「整理」

実務で一番時間を使っているのは、

  • 何が問題なのか
  • どこがネックなのか
  • 何を先に決めるべきか

を整理する作業です。

依頼者の話を聞いていると、

  • 情報がバラバラ
  • 思い込みが混ざっている
  • 不利な点が埋もれている

ことがほとんどです。

それを一度ほどいて、
使える事実と、注意すべき点に分ける。

ここが整わないと、
どんなに書類を作っても、前に進みません。


行政は「書類」ではなく「中身」を見ている

よく、

「この書類があれば通りますか?」

と聞かれます。

でも実務では、

  • 書類があるか
    より
  • その書類で何を説明しているか

の方が重要です。

行政は、

  • 数字
  • 年数
  • 肩書き

を見ているようで、
実際には

「この説明で、判断していいか」

を見ています。


書類は「翻訳」だと思っている

個人的には、
行政書士の書類作成は

翻訳に近い仕事

だと思っています。

  • 現場の実態
  • 行政が判断できる言葉
    に置き換える。

現場の感覚をそのまま持っていっても、
行政には伝わりません。

逆に、
制度の言葉をそのまま並べても、
実態が伝わらない。

この間をつなぐのが、
行政書士の役割だと思っています。


「書類屋」で済む案件は、だいたい簡単な案件

正直に言うと、

  • 要件がきれいに揃っている
  • 体制も明確
  • 説明の余地がない

こういう案件は、
書類を作るだけで終わります。

でも、
相談が来る案件の多くは、

  • どこかが足りない
  • どこかが曖昧
  • そのままでは通らない

そういうケースです。


だから「書く前」が一番大事

実務の感覚としては、

  • 書く前の整理:8割
  • 書類作成:2割

くらいです。

「何を書くか」が決まっていない状態で
書類を作り始めると、
ほぼ確実に手戻りが出ます。


依頼者にとっての価値は「書類」ではない

依頼者にとって本当に欲しいのは、

  • 書類
    ではなく
  • 結果

です。

  • 通るかどうか
  • 後で問題が出ないか
  • 安心して進められるか

そのために、
書類という形を使っているだけだと考えています。


まとめ(結論)

  • 行政書士の仕事は書類作成だけではない
  • 一番大事なのは「整理」と「設計」
  • 書類は実態を伝えるための手段
  • 「書類屋」で済ませない方が、結果は安定する

行政書士という仕事は、
書く仕事である前に、考える仕事だと思っています。

  • 【行政書士という仕事・考え方②】相談を受けても、受任しない案件について
  • 【行政書士という仕事・考え方③】グレー案件と、どう向き合っているか
  • 【行政書士という仕事・考え方④】行政と対立しないために、意識していること
  • 【行政書士という仕事・考え方⑤】「できます」と言わない方がいい場面
  • 【行政書士という仕事・考え方⑥】価格で勝負しないと決めた理由
  • 【行政書士という仕事・考え方⑦】補正が出たときに、一番大事なこと
  • 【行政書士という仕事・考え方⑧】依頼者に、本音で言いにくいこと