行政書士の業界では、
どうしても「価格」が話題になりやすいところがあります。
「もっと安くできますか?」
「他はもっと安かったです」
こう言われた経験がある方も、
多いのではないでしょうか。
私自身も、開業当初は
価格について悩んだ時期がありました。
ただ、今ははっきりと
「価格で勝負しない」
と決めています。
今日は、その理由を書いてみます。
価格で勝負すると、見なくなるものがある
価格を下げて受任すると、
- 件数をこなさないと合わない
- 1件あたりに使える時間が減る
- 深く考える余裕がなくなる
という状態になりやすくなります。
行政手続きは、
- 制度
- 実態
- 説明
の組み合わせで成り立っています。
ここを丁寧に見られなくなると、
結果的に
「とりあえず出す」
「最低限で進める」
という仕事になってしまいます。
安さを求める相談と、重さのある相談は違う
実務をやっていると、
- 価格だけを重視する相談
と - 中身を重視する相談
は、最初の会話でだいたい分かります。
価格だけを重視する場合、
- リスクの話をあまり聞かない
- 先の話に関心が薄い
- 「通るかどうか」だけを求める
ことが多いです。
一方で、
- 多少高くてもいいから
- 安定して進めたい
- 後で困りたくない
という方は、
話の聞き方がまったく違います。
価格を下げると、責任は軽くならない
ここが一番大事な点です。
- 報酬が安くても
- 行政に出す書類の重みは同じ
- 通らなかったときの影響も同じ
つまり、
責任は一切軽くならない
ということです。
それなら、
- ちゃんと時間を使って
- ちゃんと整理して
- 納得できる形で出す
方が、
結果的に健全だと思うようになりました。
「高い」と言われることもある
正直に言うと、
「ちょっと高いですね」
と言われることもあります。
そのときは、
無理に説得しません。
- 価格の理由
- 何に時間を使うのか
- どこまで考えるのか
を説明して、
それでも合わなければ
ご縁がなかった、というだけです。
価格は「覚悟」の表れだと思っている
価格を決めるということは、
- どこまで責任を持つか
- どこまで考えるか
を決めることだと思っています。
- 安く広く
- 深く狭く
どちらが正しい、という話ではありません。
ただ私は、
深く関わる仕事の方が性格に合っている
と感じただけです。
結果的に、相談の質が変わった
価格で勝負しないと決めてから、
- 相談内容が整理されている
- リスクの話をちゃんと聞いてくれる
- 長い目線で考えている
方が増えました。
仕事としては、
こちらの方がずっとやりやすいです。
まとめ(結論)
- 価格で勝負すると、見えなくなるものがある
- 責任の重さは、価格で変わらない
- 深く考える仕事には、それなりの時間が必要
- 価格は、仕事への姿勢そのもの
行政書士の仕事は、
安さを競う仕事ではなく、
判断と設計を提供する仕事
だと思っています。
だから私は、
価格で勝負しないと決めました。
- 【行政書士という仕事・考え方①】行政書士は「書類屋」じゃないと思っている理由
- 【行政書士という仕事・考え方②】相談を受けても、受任しない案件について
- 【行政書士という仕事・考え方③】グレー案件と、どう向き合っているか
- 【行政書士という仕事・考え方④】行政と対立しないために、意識していること
- 【行政書士という仕事・考え方⑤】「できます」と言わない方がいい場面
- 【行政書士という仕事・考え方⑥】価格で勝負しないと決めた理由
- 【行政書士という仕事・考え方⑧】依頼者に、本音で言いにくいこと

