【建設業許可あるある⑩】「とりあえず出してみましょう」が危険な理由

行政書士

建設業許可の相談をしていると、
ときどきこんな言葉を聞きます。

「とりあえず出してみましょう」
「ダメなら修正すればいいですよね?」

気持ちは分かります。
早く進めたいし、可能性があるなら賭けたくなる。

ただ、実務をやっている立場からすると、
この判断が一番あとで効いてくることがあります。

今日は、その理由の話です。


建設業許可は「一発勝負」ではない

許可申請というと、

  • 出す
  • 通る/通らない

という二択のように思われがちです。

でも実際は、

  • どういう内容で出したか
  • どういう説明をしたか
  • 行政にどう見られたか

という履歴が残る手続きです。


危険① 弱点を整理しないまま出してしまう

「とりあえず出す」案件に多いのが、

  • 年数がギリギリ
  • 立場の説明が曖昧
  • 専技の常勤性が弱い

こうした状態で出すと、

  • 補正で一気に突っ込まれる
  • 説明を後追いで考える
  • その場しのぎになる

結果として、

「この申請、弱いですね」

という印象を先に持たれてしまいます。


危険② 一度ついた印象は消えにくい

実務で一番怖いのはここです。

一度、

  • 要件が弱い
  • 説明が苦しい
  • 無理筋っぽい

という印象を持たれると、
同じ内容でも厳しく見られることがあります。

もちろん、
正式にはフラットな審査ですが、
人が見る以上、印象はゼロにはなりません。


危険③ 後戻りしづらくなる

「とりあえず出す」と、

  • 途中で体制を変えにくい
  • 設計を見直しにくい
  • 一旦出した説明を引っ込めにくい

という状況になります。

結果的に、

  • 本当は組み直した方がよかった
  • 時間を置いた方がよかった

という選択肢を
自分で潰してしまうことがあります。


本当に出していいケースもある

誤解してほしくないのは、

「絶対に出すな」

という話ではありません。

  • 要件は満たしている
  • 弱点も把握している
  • 説明の準備もできている

この状態であれば、
早めに出すのは合理的です。

問題なのは、

整理しないまま
勢いで出すこと

です。


私が「一旦止めましょう」と言うとき

実務で、

「これは一度止めた方がいいですね」

と言うのは、だいたい次のときです。

  • どこが弱いか本人が分かっていない
  • 説明を聞くたびに話が変わる
  • 「何とかなる気がする」で進もうとしている

この状態で出すと、
あとで必ず苦しくなります。


建設業許可は「出す前」が一番大事

実務感覚としては、

  • 出す前の整理:7割
  • 書類作成:2割
  • 提出作業:1割

くらいの感覚です。

出す前に考えきれていない申請は、
出したあとに必ず跳ね返ってきます。


まとめ(結論)

  • 「とりあえず出す」は一番危ない
  • 申請には履歴と印象が残る
  • 弱点は出す前に整理する
  • 一度立ち止まる判断が、結果的に近道になる

建設業許可は、
スピードより安定です。

焦って一歩踏み出すより、
半歩戻って設計し直した方が、
最終的にうまくいくケースは本当に多いです。

(制度的な整理や具体的な手続きの流れについては、別サイトでまとめています。)

ふくいの建設業許可申請手続き相談室