建設業許可の相談で、
ときどきこんな状況に出会います。
「必要書類は全部揃っています」
「チェックリストも問題ありません」
それなのに、
なぜか申請が前に進まない。
今日は、そのときに起きていることの話です。
「書類がある」=「通る」ではない
許可申請では、
- 必要書類が揃っているか
は、もちろん大前提です。
ただ、実務をやっていると、
書類は揃っている
でも、申請として弱い
というケースが確実に存在します。
原因① 書類同士が噛み合っていない
一番多いのがこれです。
- 履歴書と証明書の内容が微妙にズレている
- 年数の計算は合っているが、期間の説明が飛んでいる
- 立場の説明が資料ごとに違う
一枚一枚は問題なくても、
全体で見ると「?」が残る状態です。
行政は、
点ではなく線で見ます。
原因② 事実は正しいが、説明が足りない
これもよくあります。
- 実際には経営に関与していた
- 実際には常勤している
- 実際には経験がある
ただ、それを
- 誰が見ても分かる形
に落とし込めていない。
結果として、
「そうとは言い切れませんよね」
という判断になります。
原因③ 「都合のいい事実」だけを並べている
悪気はなくても、
こうなりがちです。
- 強い部分だけを出す
- 弱い部分を触れずに進める
- 不利な期間を説明しない
でも行政側からすると、
「触れていない=何かある」
と見られることがあります。
弱い部分ほど、先に整理しておく
これが実務ではかなり重要です。
原因④ 担当者が判断しづらい形になっている
申請書は、
- 行政が判断するための材料
です。
- 情報が散らばっている
- 結論がどこに書いてあるか分からない
- 補足説明がなく、読み手任せ
こうなると、
「判断できません」
という形で止まります。
私が意識しているのは「通る形」
書類を作るときに意識しているのは、
- 事実を盛ること
ではなく - 事実をどう見せれば判断しやすいか
です。
- なぜこの人は要件を満たすと言えるのか
- どこを見ればそれが分かるのか
これを、
申請書全体で説明する
イメージです。
「揃っているのに通らない」はサイン
書類は揃っているのに止まる場合、
- 要件を満たしていない
というより - 説明設計が弱い
ことがほとんどです。
ここで無理に押すより、
一度立ち止まって整理し直した方が、
結果的に早く通ります。
まとめ(結論)
- 書類が揃っているだけでは足りない
- 行政は全体の整合性を見る
- 弱い部分ほど先に説明する
- 「判断しやすい形」を意識する
建設業許可は、
書類の量より、構成と説明です。
もし申請が止まっているなら、
「何が足りないか」より
「どう見えているか」を
一度考えてみると、ヒントが出てくるかもしれません。
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(制度的な整理や具体的な手続きの流れについては、別サイトでまとめています。)

