【建設業許可あるある③】専技を外注で済ませようとして、失敗する話

行政書士

建設業許可の相談で、
経管の次によく出てくるのがこの話です。

「専技、外注じゃダメですか?」

結論から言うと、
ダメなケースの方が圧倒的に多いです。

今日は、
「なぜその考え方が危ないのか」を
実務目線で書いてみます。


専技は「人を置けばいい」わけじゃない

営業所技術者(いわゆる専技)は、

  • 有資格者
  • 実務経験者

であればOK、
と制度上は整理されています。

そのため、

  • 知り合いの技術者に名前を借りる
  • 月に数回だけ来てもらう
  • 書類上だけ配置する

という発想が出てきがちです。

でも、ここに大きな勘違いがあります。


専技は「常勤」が前提

専技の大前提は、
その営業所に常勤していることです。

つまり、

  • 毎日その営業所で勤務している
  • 他社の仕事と兼務していない
  • 名ばかりではない

このあたりが、かなりシビアに見られます。


よくある失敗パターン

① 他社に在籍したままの専技

  • 別の建設会社に正社員として在籍
  • 「専技として名前だけ貸す」
  • 給与も社会保険も別会社

これは、
ほぼ確実にアウトです。

「週に何回来ますか?」
という問題ではありません。


② 個人事業主に業務委託するケース

  • フリーの技術者
  • 業務委託契約
  • 請求書払い

これも、

「常勤とは言えない」

と判断されることがほとんどです。


③ 形式は整えているが実態が弱いケース

  • 雇用契約書はある
  • 給与台帳もある
  • ただし実際はほぼ来ていない

この場合、
書類が揃っている分、逆に突っ込まれます。

  • タイムカード
  • 勤務実態
  • 他の仕事との兼ね合い

を確認され、
結果的に厳しく見られることがあります。


「一度通ったから大丈夫」が一番危ない

たまに、

「前はこれで通りました」

という話も聞きます。

ただ、これは正直あてになりません。

  • 審査基準の運用が変わる
  • 担当者が変わる
  • 更新時に改めて見られる

ということは、普通にあります。

更新時に専技で詰む
というのは、実務では珍しくありません。


専技は「コスト」ではなく「設計」

専技を外注で済ませたくなる理由は、
だいたい次のどれかです。

  • 人件費を抑えたい
  • 採用が難しい
  • とりあえず許可を取りたい

気持ちは分かります。

ただ、専技は
後回しにすると必ずツケが来る部分です。


現実的な考え方

私がよくお伝えするのは、次の視点です。

  • 今の体制で本当に専技を置けるか
  • 業種追加・更新まで見据えた設計か
  • 無理な形になっていないか

「今通す」より、
「後で困らない」
を優先した方が、結果的に楽です。


まとめ(結論)

  • 専技は外注感覚では通らない
  • 常勤性はかなり厳しく見られる
  • 書類だけ整えても実態が弱いと危険
  • 更新時に問題が表面化しやすい

建設業許可は、
人の配置で詰むケースが本当に多いです。

専技について「なんとかならないか」と感じた時は、
一度立ち止まって、
体制そのものを見直した方がいい場面かもしれません。

  • 【建設業許可あるある①】建設業許可の相談で、最初に確認するのは「年数」じゃない
  • 【建設業許可あるある②】経管はいけそうに見えて、実は危ないケース
  • 【建設業許可あるある④】更新なのに、新規並みに大変になる会社の特徴
  • 【建設業許可あるある⑤】行政に「それは無理です」と言われたときの受け取り方
  • 【建設業許可あるある⑥】書類は揃っているのに、通らない申請の正体
  • 【建設業許可あるある⑦】赤字でも許可は取れるが、「ここ」を見落とすと詰む
  • 【建設業許可あるある⑧】役員変更を甘く見てはいけない理由
  • 【建設業許可あるある⑨】経験年数が足りないときに考える、現実的な選択肢
  • 【建設業許可あるある⑩】「とりあえず出してみましょう」が危険な理由

(制度的な整理や具体的な手続きの流れについては、別サイトでまとめています。)

ふくいの建設業許可申請手続き相談室