行政書士として仕事をしていると、
「行政と戦ってくれる人」
のようなイメージを持たれることがあります。
でも、私自身は
行政と対立することが仕事だとは思っていません。
今日は、
実務の中で「行政と対立しないために意識していること」
を整理して書いてみます。
行政は「敵」ではない
まず大前提として。
行政の担当者は、
- 意地悪をしたい
- 落としたい
- 困らせたい
から審査しているわけではありません。
多くの場合、
「この申請を、
根拠を持って通していいか」
を判断しています。
立場が違うだけで、
**目的は「適正な処理」**です。
対立が起きやすい瞬間
実務で見ていると、
行政との対立が起きやすいのは、だいたい次の場面です。
- こちらが「通る前提」で話している
- 不利な事実を後出しする
- 制度と感情を混ぜて話す
この状態になると、
「それはできません」
「ルールなので」
という、
固い返答になりやすいです。
私がまず意識しているのは「前提の共有」
行政と話すとき、
一番大事にしているのは、
- 何を確認したいのか
- どこが論点なのか
を、最初に揃えることです。
- 結論を迫らない
- Yes / No を急がない
- 判断材料を一緒に整理する
このスタンスで話すと、
対立になりにくくなります。
「主張」より「整理」を優先する
対立しやすい案件ほど、
- 正しさを主張したくなる
- 前例を持ち出したくなる
気持ちは分かります。
ただ実務では、
- 何が事実か
- どこが制度上の論点か
を整理しないまま主張すると、
話が噛み合わなくなります。
私はまず、
「この事実関係で、
どう評価されますか?」
という聞き方をします。
行政の立場を理解しておく
行政の担当者は、
- 自分の判断に責任を持つ
- 後から説明できる必要がある
- 前例との整合性を考える
という立場にあります。
だからこそ、
- 曖昧な説明
- 例外扱いを求める話
には、慎重になります。
ここを理解して話すだけで、
空気はかなり変わります。
「折れる」ことと「譲る」ことは違う
対立しない、というと、
「行政の言うことを全部聞く」
と思われがちですが、
そういう意味ではありません。
- 事実は事実として伝える
- 解釈の余地は整理して伝える
- 無理な点は無理だと判断する
そのうえで、
どこで線を引くか
を一緒に考える、
というイメージです。
対立しない方が、結果的に早い
実務をやっていて感じるのは、
- 強く主張して通る案件
より - 整理して納得してもらう案件
の方が、
結果的に早く、安定します。
対立は、
- 時間がかかる
- 心証が固くなる
というデメリットが大きいです。
まとめ(結論)
- 行政は敵ではない
- 対立は、整理不足から生まれることが多い
- 主張より前提共有を重視する
- 行政の立場を理解すると話が進みやすい
行政書士の仕事は、
行政と戦うことではなく、
行政と一緒に整理すること
だと思っています。
その方が、
依頼者にとっても、
一番安全で確実です。
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