行政書士として仕事をしていると、
いわゆる「グレー案件」に出会うことがあります。
- 完全にアウトではなさそう
- でも、堂々とOKとも言い切れない
- 解釈や運用に幅がある
今日は、
そういう案件にどう向き合っているか
自分なりの考えを書いてみます。
グレー案件は「珍しいもの」ではない
まず前提として。
建設業許可や各種許認可の実務では、
グレー案件は決して珍しくありません。
- 制度が現場に追いついていない
- 想定されていないケースが出てくる
- 運用でカバーされている部分がある
白黒はっきりしている案件の方が、
むしろ少ないと感じることもあります。
私がまず考えるのは「通るか」ではない
グレー案件に直面したとき、
最初に考えるのは、
- 通るかどうか
ではなく - 通ったあと、大丈夫か
です。
一度通ったとしても、
- 更新で引っかかる
- 変更で説明がつかなくなる
- 別の担当者で否定される
こうなる可能性が高い案件は、
最初から慎重になります。
「解釈の幅」と「事実の無理」は別物
グレー案件には、
大きく2種類あると思っています。
① 解釈に幅があるグレー
- どちらとも読める
- 明確な線が引かれていない
- 前例や運用で判断されている
このタイプは、
- 事実がきれい
- 説明が一貫している
のであれば、
検討の余地があるグレーです。
② 事実に無理があるグレー
- 事実を都合よく切り取っている
- 説明を盛らないと成立しない
- 聞かれたら詰む
こちらは、
ほぼ黒に近いグレーです。
このタイプは、
基本的に受けません。
「通せるか」より「説明し続けられるか」
グレー案件で一番大事なのは、
この説明を、
5年後・10年後も続けられるか
だと思っています。
- 更新のたびに同じ説明ができるか
- 担当者が変わっても説明が通るか
- 書類と実態がズレていないか
ここに自信が持てない案件は、
無理に進めません。
行政との関係性も判断材料になる
グレー案件では、
行政との距離感も重要です。
- 事前相談ができるか
- 解釈の方向性を確認できるか
- 記録に残る形で整理できるか
「黙って出して、あとは運」
という進め方は、
一番リスクが高いです。
グレーを「黒にしない」ためにやっていること
私が意識しているのは、次の点です。
- 不利な事実も先に出す
- 弱い点を自分から説明する
- 行政に判断材料を渡す
グレーを
無理やり白と言い切らない
という姿勢です。
依頼者にも「グレーである」ことを伝える
グレー案件の場合、
- 「いけますよ」
とは言いません。
代わりに、
- どこがグレーなのか
- 何がリスクなのか
- どこまでなら現実的か
を、できるだけ正直に伝えます。
そのうえで、
それでも進めますか?
という判断を、
一緒にします。
グレー案件と向き合う理由
それでも、
グレー案件を完全に避けないのは、
- 現場にはグレーが存在する
- 白黒だけでは解決できない案件もある
- 専門家として考える余地がある
と思っているからです。
ただし、
- 無理なグレー
- 説明できないグレー
まで引き受けるつもりはありません。
まとめ(結論)
- グレー案件は実務では普通にある
- 「通るか」より「通ったあと」を考える
- 解釈の幅と事実の無理は別
- 説明し続けられないグレーは扱わない
行政書士の仕事は、
白黒を決めることではなく、
グレーをどう安全に整理するか
だと思っています。
だからこそ、
グレー案件ほど、
慎重に向き合っています。
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