建設業許可の相談で、
決算書を見た瞬間に言われることがあります。
「赤字なんですが、許可は取れますか?」
結論から言うと、
赤字=即アウトではありません。
ただし、
赤字でも必ず見られているポイントがあって、
そこを見落とすと一気に詰みます。
今日はその話です。
「赤字OK」という言葉の誤解
よく、
「建設業許可は赤字でも大丈夫ですよ」
という説明を見かけます。
これは半分正しくて、
半分は危険です。
正確に言うと、
- 赤字そのものは致命的ではない
- ただし、内容次第
というのが実務感です。
見落としがちなポイントは「財産的基礎」
赤字のときに必ず見るのが、
- 財産的基礎
(=お金の体力)
です。
具体的には、
- 自己資本はあるか
- 債務超過になっていないか
- 極端に資金繰りが悪くないか
ここが弱いと、
赤字かどうか以前に、
許可の前提が崩れます。
危ないのは「赤字+これ」の組み合わせ
実務で危険なのは、
次の組み合わせです。
- 赤字が続いている
- 借入が多い
- 純資産がほぼない、またはマイナス
この場合、
「事業を継続できるのか?」
という目線で見られます。
単年赤字なら問題なくても、
構造的な赤字だと話が変わります。
個人事業主でも油断できない
個人事業主の場合も同じです。
- 売上はあるが利益が出ていない
- 生活費と事業資金が混ざっている
- 元入金が少ない
この場合、
- 実態として事業が回っているか
- 継続性があるか
を、
数字以外の部分も含めて見られます。
赤字でも通るケースの共通点
赤字でも問題にならないケースには、
共通点があります。
- 一時的な投資・設備導入による赤字
- 次期以降の見通しが説明できる
- 自己資本がしっかり残っている
つまり、
「なぜ赤字なのか」
「今後どうなるのか」
を、
説明できるかどうかです。
「数字は事実、評価は文脈」
決算書の数字は事実です。
ただ、
その数字がどう評価されるかは、
文脈次第です。
- 一時的な赤字なのか
- 事業拡大の過程なのか
- ただ耐えているだけなのか
ここを整理せずに、
「赤字でも大丈夫って聞いたので」
と進めると、
思わぬところで止まります。
私が赤字案件で必ず確認すること
赤字の場合、
必ず次を整理します。
- 赤字の理由
- 継続性の説明ができるか
- 財産的基礎をどう示すか
これを先に固めておくと、
申請はかなり安定します。
まとめ(結論)
- 赤字でも許可は取れる
- ただし財産的基礎は必ず見られる
- 「なぜ赤字か」「今後どうするか」が重要
- 数字そのものより、説明がカギ
建設業許可では、
赤字=不利ではあっても、
赤字=不可能ではありません。
ただ、
「赤字でも大丈夫」という言葉だけを信じて進むと、
足元をすくわれることがあります。
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(制度的な整理や具体的な手続きの流れについては、別サイトでまとめています。)

