建設業許可の話をしていると、
役員変更について、こんな反応をされることがあります。
「役員が変わっただけですよね?」
「経営は何も変わっていません」
気持ちはよく分かります。
ただ、実務ではこの認識がかなり危険になることがあります。
今日は、
なぜ役員変更を軽く考えてはいけないのか
その理由の話です。
役員変更は「形式的な変更」ではない
会社の中では、
- 代表が変わらない
- 実質的な経営も同じ
- 日常業務も変わらない
ということはよくあります。
ただ、建設業許可の世界では、
役員変更は
人的要件の前提が変わる可能性がある変更
として扱われます。
一番影響を受けやすいのは「経管」
役員変更で一番影響が出やすいのが、
**経営業務の管理責任者(経管)**です。
たとえば、
- 経管として見られていた役員が退任
- 新しい役員が就任
- 体制が微妙に変わっている
この場合、
「今の体制で、経管は誰ですか?」
という確認が必ず入ります。
「代表は変わってないから大丈夫」は通用しないことも
よくあるのが、
- 代表取締役は同じ
- でも取締役構成が変わっている
- 経営の役割分担が変わっている
というケースです。
行政から見ると、
経営体制が変わっている
と評価されることもあります。
特に、
- 経管要件ギリギリの会社
では、影響が出やすいです。
変更届を出していないと、更新時に詰む
役員変更そのものより、
実務で怖いのはここです。
- 役員変更があった
- でも変更届を出していない
- 数年そのままになっている
この状態で更新を迎えると、
- 過去の役員変更を遡って整理
- 当時の体制で要件を満たしていたか確認
- 説明資料の再構築
となり、
一気に新規並みの作業量になります。
役員の「肩書き変更」も要注意
役員変更というと、
- 就任
- 退任
を思い浮かべがちですが、
次のような変更も注意が必要です。
- 取締役 → 代表取締役
- 代表取締役 → 取締役
- 常勤 → 非常勤
肩書きが変わると、
経営への関与度の評価が変わることがあります。
行政は「人の名前」ではなく「役割」を見ている
実務で感じるのは、
行政が見ているのは、
- 誰が役員か
ではなく - 誰が経営判断をしているか
という点です。
役員変更があると、
「経営判断の構造は変わっていませんか?」
という目線で見られます。
私が役員変更で必ず確認すること
役員変更があったと聞いたら、
必ず次を確認します。
- 経管は誰として整理するか
- 実態と肩書きは一致しているか
- 変更届は期限内に出しているか
ここを曖昧にすると、
後から必ず手間が増えます。
まとめ(結論)
- 役員変更は軽い手続きではない
- 経管への影響が出やすい
- 変更届を放置すると更新時に詰む
- 肩書き変更も要注意
建設業許可では、
人の動き=許可の安定性です。
役員変更があった場合は、
「あとでまとめて」ではなく、
その都度整理する
これが一番ラクで安全なやり方です。
- 【建設業許可あるある①】建設業許可の相談で、最初に確認するのは「年数」じゃない
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(制度的な整理や具体的な手続きの流れについては、別サイトでまとめています。)

