年間で読み切る本は10冊くらいで、
だいたいは「あーおもしろかったー」とか
「勉強になったわー」くらいで
終わるのですが、
この本を読んだときに、
「ちょっとメモしておかないと」と
思ってしまいました。
この本です。
著者 水野敬也
「たった一通の手紙が人生を変える」
文響社 2015年
手紙の書き方の本かよ、
と思うかもしれません。
事実、そのとおりで単なる
手紙の書き方の本なわけですが
すごく中身は濃いです。
こんなことが分かります。
■仕事の営業メールの書き方
■うるさい隣人への抗議の手紙
■ファンレターの書き方
■間違いだらけのラブレター
■気の利いたお見舞いの手紙
■ユーモアのある文章
■本音と気遣いの伝え方
■感謝の手紙
文章のビフォーアフターを通じて
どこをどう直せば効果があるのかが
よくわかります。
だからテンプレをパクるのではなく
自分の言葉で表現できるようになります。
ああ、こんな手紙が書けるようになりたいな
と自然に思わせるような力があります。
ベストセラーである
夢をかなえるゾウを書いた方が
著者であり、とても読みやすい文章で
頭にスッと入ってきます。
手紙を書く技術について
書かれているので、当然
SNSやセールスレター用の文章力の
底上げにもなりますが、
この本を読んで得られる最大のリターンは
気づかいやサービスの本質を学べること
だと思います。
文章で相手に影響を与えるために、
テクニックではない本当に重要なことが
理解できます。
もし興味があれば一度手に取って
読んでみることをオススメします。
↓以下、メモ
↓
↓
相手に見せる前に誰かに読んでもらう
シンプルで効果絶大だが実践している人はいない
恥ずかしい
面倒だ
課題を指摘してもらえたにもかかわらず文章を直さない
場合によってはいかにその指摘が間違っているかを主張したりする
あたかも自分の人格や能力を批判されたようにとらえてしまうから
自分の書いた文章と自分自身を切り離して考える
ケチをつけられた部分があれば何はともあれ書き直す
人の指摘を受け入れて、まず直してみる
こんなことを書いたら人からこういう風に思われるんじゃないだろうか
もしかしたらこういう風に誤解されるかもしれない
自意識過剰の人は他人から自分がどう見られているかを過剰に意識し不安になる傾向があるので良い文章が書ける⇒人に見せる前に自分の文章の課題を見つける癖がついている
形式ばっていてどこかで見たことあるような文章
⇒表面上は礼儀正しく見えるが本質的な礼儀を書いた文章になる
感謝・感動を伝えるときのポイント
■具体的であること
私が〇〇してしまい△△してくださったとき、□□ということの意味を学ばせていただきました。
■本音であること
人は嘘に対して非常に敏感である
相手の心をつかむための一番良い方法は、実際に相手に対して感謝・感動の気持ちを持っていること。
文章が短いから何かつけたそうという気持ちも相手に伝わってしまう
相手の立場に立って考えてみる⇒自分の立場に立ってもらえている文章を受け取った相手はうれしくて感動する⇒相手を喜ばすことができる
相手の立場に立ち、相手を喜ばせる
仕事を依頼するときに出す手紙
最初の一文は重要で大きな意味を持つ
一番気をつけなければならないのは相手から警戒されないこと
人は初対面であり情報の少ない相手に対しては無意識に警戒して身構えてしまうもの
×相手に対してどうやって自分を印象付けようか考える
〇相手の立場に立ち、相手が自分に対して抱く警戒心や不安を解消する
例 突然のお便り失礼いたします。
相手の立場からするといきなり知らない人からお便りが届くわけだから驚く⇒冒頭この点に触れておく
加えて、こちらがどういう素性のものなのかを明らかにする
学校名、会社名、過去に携わった仕事など相手に安心してもらえる情報を提供する
実績を伝えることで信頼を得る
なぜ仕事を依頼したいのか自分自身の言葉で具体的に述べる
抗議の手紙
抗議の文章でやってはいけないこと
自慢と批判
批判は無意識のうちにしてしまうので注意が必要
講義をする際は感情の赴くままに批判するのではなく、相手の立場を考慮しながら自分の気持ちを伝える
抗議の手紙であっても、相手に依頼するときは、まず相手を喜ばせる
相手を喜ばせるためには本音の思いを余すことなく伝える
デリケートな依頼であればいかに相手の不安を和らげるか、応援したいという気持ちになってもらえるかが重要⇒相手の立場に立ち相手が抱くであろう不安な気持ちを様々な角度から解消していく
依頼の手紙は自分の広告ともいえる存在であるため、誤字脱字がない、字が丁寧であるなど細部にこだわる、誠実さと実績を伝える、依頼を受けた相手のメリットを伝える、相手を誰かと比較してはいけない
断るときの手紙
依頼を断る時は最初に結論をはっきりと伝える
例)お金をお貸しすることはできません。
断らざるを得ない事情を具体的に言う
依頼以外のことで相手のためにできることを提案する
相手を一方的に突き放すのではなく、依頼を受けたくないという欲求と相手を傷つけたくないという相反する欲求を満たそうと努力する姿勢は、仕事や家庭の人間関係でも役立てることができる
ユーモアとは
皮肉や毒舌などは直接の会話と違って相手の反応を見てフォローすることができないので避ける
身に着けたいのは愛嬌=人間らしさ
他人行儀で機械的な文章ではウソ臭くなってしまう
本音をそのままぶつけると正直だがわがままな人になってしまう
愛嬌を感じてもらうには相手に気遣いながら本音を出す⇒葛藤している自分を出すことで愛嬌を感じてもらい、気まずい雰囲気を緩和する
とりあえずインターネットで文面を調べて出しておけば大丈夫か、というノルマをこなすようなスタンスが相手に伝わってしまう
具体的な映像を思い浮かべて細部を描写することができれば文章におけるユーモアを伸ばすことができる⇒例 もし詰まらなかったらお隣の人との物々交換に使ってください
謝罪の手紙
謝罪の手紙が書けるようになったからといって、つらい気持ちがなくなるわけではない
書いている時間は本当につらい
許してもらいたいというリクエストを相手に受け入れてもらうために書くもの
相手の立場に立ち、相手が望んでいることを想像する
言い訳してはいけない
実際には自分以外に原因があったのだとしてもそこはぐっとこらえ、自分に責任があるとして誠心誠意謝罪をする
相手の立場に立ちあらゆる角度から相手の怒りを想像する
相手が起こっているであろうポイントを想像して、その怒りの矛先のすべてを一つ一つ謝罪する
謝罪をした後は前向きな姿勢を見せ、前向きに何をして償うかということを提案する
ひたすら謝ることだけでは解決にならない
人は卑屈な態度を見るのを好まないから
ラブレター
長く付き合っている恋人やパートナーに愛情を伝えるときに効果を発揮する
相手のために陰ながら下努力を知ってもらいたい、ほめてほしいという気持ちが滲み出てはいけない
それを伝えないのが粋
あなたが僕のことをどう思っているか分からないけど、僕はあなたが好きだというメッセージが相手に喜ばれる
感動・感謝のポイントはできるだけ具体的に書く
最後は照れずに真顔で愛を伝える
感謝の手紙
感謝の手紙は自分の幸福度を上げる
相手への要求は一切しない、感謝だけを伝える
相手が人知れずしてきた苦労への感謝を伝える