1年のうち1ヶ月ぐらい、
集中して本を読みたくなる
タイミングがありまして
一気に数十冊の本を読むわけですが、
今回はその中で面白かった小説、
つまらなかった小説を
ご紹介したいと思います。
おすすめ
まず読書モードに入ったきっかけは
「六人の嘘つきな大学生」でした。
本屋で平積みされており、
「ここにいる六人全員、
とんでもないクズだった」
のキャッチコピーに惹かれたからです。
IT企業の最終選考に残った
六人の就活生に
「六人の中から一人の内定者を決める」
という課題が出され、
内定をかけた頭脳戦が始まるのですが、
その途中で六通の封筒が発見され、
そのうちのひとつを開けると
「○○は人殺し」
という告発文が入っている…
物語は二転三転して
ページをめくる手が止まらないですし、
途中に「なんだこれ?」と
思えるような伏線がいくつもあるのですが
それもきれいに回収されるので
呼んだ後スッキリします。
犯人は全員でした、
とか、実は夢でしたとかいう
寒いパターンでもないので
とてもおすすめです。
「ルビンの壺が割れた」は
薄くて読みやすくておもしろいです。
序盤中盤モヤモヤしながらも、
先が気になって一気読み。
最後ひっくり返される感じが
とてもよかったです。
「変な家」はホラーチックな内容ですが、
序盤中盤から、ちゃんとドキドキ
させてくれる感じであり、
文章も読みやすいので一気に読めました。
「GOTH夜の章・僕の章」は、
男子高校生の僕と森野夜という
女子高生の奇妙なお話短編集なのですが、
それまでの話が伏線となって
最後の話でどんでん返される
秀逸でおもしろい小説です。
「方舟」は、金田一少年風の物語で
序盤から飽きることなく一気読みできます。
最後には圧巻のどんでん返しが待っており、
序盤中盤終盤すべてにおいて
隙がないおもしろさです。
ふつう
「真相をお話しします」は短編集でした。
正直、そこまでアッと驚く
どんでん返しはなかったと思います。
「いけない」「いけないⅡ」は、
へーそういう話だったんだ、
ということがネットの解説を見て
分かりました。
読者への挑戦状系の小説は、
しっかり推理しながら読んでいる
わけではないので、ちょっと苦手。
グイグイ読めはするんですが、
消化不良のところもいっぱいありました。
嫌い
ちなみに嫌いな小説パターンは、
2つあって
■有名なミステリー小説のウンチク
■非現実的な設定
です。
ミステリ小説ウンチクについては、
たとえば、急にシャーロックホームズの
何とかというお話を例に出してくる、
あるいは登場人物にミステリマニアが
いるみたいな感じです。
こっちは読書マニアじゃないので
有名と言われているミステリ小説を
当然読んでるわけないですし、
ミステリマニアの友人知人が
周りにいないので、登場人物に
感情移入もできません。
「十角館の殺人」が典型で、
ミスリードどころか
だいぶ置いてかれてしまって、
読むのが本当に苦痛でした。
30年以上前の小説なので、
その時代はそれが良かったのかも
しれないですけど、初心者向けでは
ないなぁと感じました。
最近の小説だと
「硝子の唐の殺人」もモロそれ。
アッと驚くどんでん返しとかは
面白いのですが、
途中途中で挟み込まれる
ミステリウンチクが、私みたいな
読書素人にはクソつまんなくて、
残念な気持ちになりました。
多くのミステリ小説でこのような
パターンが見られるのですが、
たとえば若い刑事がミステリマニア
みたいな、登場人物に「ミステリ好き」
という希少種が登場する時点で、
そんなやついねーよ、と思ってしまって
読み進める気持ちが萎えてしまいます。
「屍人荘の殺人」はゾンビが出てきて
「はぁ?」と思いました。興ざめです。
最初から書いておいてほしいです、
買わないので。
「ボトルネック」は、パラレルワールドに
迷い込むという設定が意味不明。
何が言いたいのか全く伝わってこず、
読んで損した、というのが率直な感想です。
「やまのめの六人」は序盤から
事件が起きまくって、中盤にかけて
グイグイ引き込まれていくのですが、
結局オチはお化け的なものかよ、
という感じで尻すぼみ感が
半端なかったです。
「向日葵の咲かない夏」は最初、
何言ってるか分からなくて、
結局オチは、語り手である少年の頭が
狂っていただけという、
最初から最後まで
何言ってるかよくわからない内容でした。
ネットの解説を読んでみても
意味不明という苦痛本でした。
「リピート」は過去に行けるという
ループもので、やはり設定として
はあまり好きではないのですが、
この小説は思ってたよりも
おもしろかったです。
とにかく読んでみればわかりますが、
好き嫌いは分かれるものの、
どの小説もだいたいおもしろいです。
1冊2冊、買って読んでみては
いかがでしょうか。
コメント