
人の心が読めたら…
ビジネスをする上で、お客さんや交渉相手の心が読めたらどんなに楽でしょうか。
人の心を読んで、相手を自分の思い通りに動かすなんて、マンガの世界だと思うかもしれません。
でも決してそんなことはなく、だれでも簡単に人の心を読み取るテクニックがあります。
特別な能力は必要ありません。
人が無意識に見せる反応やしぐさの意味を理解しそれらを見逃さないようにすればよいのです。
人の脳は、脳幹、大脳辺緑系、大脳新皮質に分かれています。
その中の大脳辺緑系は、哺乳類脳とも呼ばれており、人が生き残るために周囲からくる情報に対して反射的に命令を下します。
命令を通して顔や手足、体全体のの動きとして現れます。
大きな音がしたときに、ビクッと身体が反応してしまうという経験は誰にでもあると思います。

このように、大脳辺緑系を通して体が正直に人の考えていることや感じていることを現わしてしまうのです。
人の心を読むことで人生の幅が広がります。
セールスの場面では、お客さんに対して適切な提案ができるようになり、無駄な商談を避けることができます。
また、職場の人間関係を円滑にし、危険があればそれを察知して避けることもできます。
うそや本音を見抜くことで家庭も円満になります。
人の心を理解することはどんな状況でもどんな場面にも応用することができます。
今回は、人のしぐさから心を読むテクニックについて紹介したいと思います。
好かれているかを判断する
自分が好かれているかどうかを判断することは、人間観益を円滑に進める上でとても重要です。
しぐさをまねる
例えばあなたが腰に手を当てていたとしたら一緒にいる人も同じ位置で手を腰に当てていたとしたらその人はあなたに好感を持っています。


人間は好きな相手の動作をまねるという傾向があり、これをミラーリングと言います。
眉がすばやく上下する
あなたが近づくと一瞬だけ眉が上下する人は、あなたに好感を抱いています。

出現する時間は1/6秒と短いですが、無意識のうちに送っている友情のシグナルです。お互いに好感を抱いている同士だと、お互いの眉が上下します。
頭を少し傾けている
相手があなたのことを慕っているのであれば、、話すときに相手は自然に頭を左右どちらかに傾けています。

首には頸動脈があり、傷つけば死に至ります。頸動脈を見せるということはあなたに親しみを持っている証拠です。
逆に脅威を感じていれば、頸動脈を守ろうとする意識が働きます。
本物の笑顔
本物の笑顔の場合は両側の頬が上がると同時に口角が上がり、目じりにしわが寄ります。

作り笑いの場合、右利きの人なら顔の右半分が大きく動き片側に偏った笑顔になります。

好感を抱いていないことが分かったら、リード&フォローというテクニックを使うとよいでしょう。
まず自分が相手のしぐさを真似し、さりげなく相手に好感を抱いていることを示します。
相手の潜在意識の中で、あなたのことを敵意ある存在でないと判断すれば、相手も自然にあなたのしぐさをまねするようになります。
ミラーリングされれば、二人の間に信頼関係が気づけたと判断できます。
真実かごまかしか
重要な交渉や商談において、相手が真実を語っているのか、そうではないのかを見抜くのはとても重要なことです。
相手が常に真実を語ってくれるのであればいいのですが、そうはいきません。
降りかかる火の粉を未然に防ぐことができれば大けがをせずにすみます。
手のひらを上に向けるジェスチャー
真実を言っている場合、相手は手のひらを上に向けるジェスチャーをします。

これは、その人のオープンな気持ちを物語っています。
首を振る動作と発言の方向性
首を振る動作と発言の方向性が一致しているときは、その話が真実であることを示しています。

「はい!」と言いながら首を横に振っている場合は否定を暗示する動作となります。
頭を後ろに下げる
ウソをついたりごまかしたりしようとしている人は、人から距離を置こうとする傾向があります。
質問に対して正直に答えられないときは、頭を少し後ろに引くことが多いです。

これは、うそをつく人が最初に示す無意識の反応で、しばらくすると元の姿勢に戻ります。
この反応が見られた場合、相手は事実を正確に話していない可能性があります。
肩の高さ
両肩が同じ高さに少し上がる動作は真実を示す信頼度の高いシグナルですが、左右の方が非対称の場合は嘘をついている可能性があります。

営業が成功するかどうかの見極め
営業ができる人ほど人の心を素早く読み取ることを無意識のうちに学んでいます。
これを営業センスと言ったりします。
ただ営業センスがなくても全く問題ありません。
これは後天的に身に着けられるものだからです。
テクニックを覚え、お客さんをしっかり観察する習慣をつけてください。
いつの間にかお客さんの心を読むことができるようになります。
オープンな姿勢
お客さんが手のひらを上に向けてオープンな姿勢をしている場合、こちらの提案を受け入れていると考えてよいでしょう。

身振り手振りを多用して話したり、頭を少し傾け、頸動脈を見せた状態で話を聞いているなど交換を示すシグナルが一緒に出ている場合は、さらに確度が上がります。
前のめり
お客さんが前のめりになってこちらの話に対し頷くことも、こちらの提案に乗り気であることを示しています。

人は好感を持ったものに対して前のめりになり、不快なものからは遠ざかろうとします。
契約が合意に至る場合は、「私たち」のように相手を含む人称が用いられます。
唇
唇にしわが寄ったり、すぼんでいたりした場合、お客さんはこちらの提案に難色を示していると考えられます。


セールストーク中は、相手の唇を見るように心がけるとよいでしょう。
相手が唇を嚙んでいる、あるいは唇をキュッと結んでいる場合、お客さんは言いたいことがあるけど我慢している状態です。


人は、相手の気分を害したくない、自分が悪者になりたくないという気持ちが働き、言葉を飲み込んでしまいがちです。
このようなシグナルが出た場合、「お考えがあるようですが、お話しいただけませんか?」と柔らかく語り掛けましょう。お客さんの本音を引き出すチャンスでもあります。
無意識に首を振る
人は、話を聞きながら無意識のうちに自分の考えに従って頷いたり首を横に振ったりします。
首を横に振っている場合は、否定のシグナルです。


これを事前に防ぐために、セールストークしている間は頭を縦に振る、というテクニックがあります。
相手が影響を受けやすい状況をつくっておくのです。
そうすれば、お客さんがあなたの提案に好意的な反応を示すように誘導できます。
自分を好きになってもらうテクニック
ビジネスでもプライベートでも、人に好意を持ってもらうことが物事を円滑にするカギとなります。
相手をいい気分にさせることで相手はあなたを好きになり、助けてくれます。
アイコンタクト
相手に好意を示すには、ほんの一瞬だけ目を合わすようにすると効果的です。

1秒以上見つめられると敵意と受け止められ、逆効果になることがあります。

相手の警戒心を解くため、笑顔でアイコンタクトを送るようにしましょう。

アイコンタクトをした後に相手が一瞬目をそらし、再びアイコンタクトを返して来たら、自信を持って近づいて大丈夫です。
体の近さ
信頼関係がある相手に対しては、無意識に体を近づけてしまうものです。

反対に、苦手な人とは距離を取ろうとします。

あなたが前のめりになって話をしたときに相手が上半身をそらさなければ、拒絶されていないと判断できます。

逆に上半身をそらし、足先があなたとは別方向に向いているときは拒絶を示していると考えてよいでしょう。
大げさな身振り手振り
身振りを大げさにして感情表現すると、言葉によるコミュニケーションを強め、相手から交換を抱かれやすくなります。

親しくなりたい相手には、深く頷いたり微笑んだりして熱心に話を聞いてください。
たまに小さなミスをする
人は小さなミスをしてしまう人間味がある人に対して好感を持ちます。
いつもミスばかりしているのは問題ですが、たまにミスをするのは問題ありません。
そのときには、バツが悪そうな顔をして、間違いを指摘してくれた人に対して素直にお礼を言いましょう。

人の心を完璧に読むことはできないかもしれませんが、身振りやしぐさといったノンバーバルシグナルを観察することによって、それに近いことができるようになります。
最近ではオンライン商談や会議も増えてきたのですが、やはり人と人とが直接会って顔を合わせ、身振りやしぐさなどのノンバーバルコミュニケーションを表現したり観察したりする方が、効果的に人とやり取りできます。
身振りやしぐさから人の心を読むテクニックは、周囲の人々との円滑な関係構築に大いに役立ちます。
世界のどこでも、どんな年代の人であっても効果があります。
ぜひ仕事や遊びに応用して、人生をより豊かなものにしていきましょう。
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